突き放す
「もう……俺のことは、放っておいてくれ」
そう言った背中は、いつか見たような孤独にまみれていた。
2019~ 一日一文企画 文章ラルグリ,リィンカネ
焼き付ける
命を燃やすという表現は、しばしば戦いの場面において使われる。もちろん机仕事にだって使うことはできるが、より情景が伝わるのは武力のぶつかり合いというものだ。だからって文字通り自分の血を熱に変えるような戦い方をする人間は、この世界にもそうそういないだろう。
2019~ アークナイツ 一日一文企画 文章アークナイツ,ブレグレ
持て余す
飛び込んできたのは、ひとりの少女だった。執務室の扉は基本的に誰でも入れるようにしてある。それはドクター自身が許可したからだが、こうして子どもが来るようなことは予測されていなかった。ロドスという組織、艦船のつくりでいえば、あり得ないということも無かったのだが。
2019~ アークナイツ 一日一文企画 文章アークナイツ,博+安
呼ぶ
「アルバート、昼食いに行こう」
よくよく思い出せば、同じ職場の同僚としてなんとなく仲良くなった頃から、俺の名前を呼ぶ姿はどこかそれだけで嬉しそうだった気がする。
2019~ FF14 一日一文企画 文章FF14,アルバート,光アル,現パロ
受け入れる
その腕に包まれると温かくて、すべてを肯定されるような気分になる。つくづく温もりというのは不思議だ。それ自体で人を安心させてしまうし、それを得るためにはある簡単な行動だけで良かったり、時折その簡単なはずの行動がとても難しく感じたりする。
2019~ 一日一文企画 文章TOAR,ロウアル
気にする
「この戦争が終わったら、何するかって。考えたことあるか?」
ずきり、と胸が痛んだ。そんな風に考えたことはない。すべて奪われたあの日からずっと、戦場で生きるということしか頭になかった。
2019~ 一日一文企画 文章ラルグリ,リィンカネ
輝く
鉱石は、この世界で旅するにあたり非常に重要な採取物だ。各所に自生している植物は食料にはなるが、武具にはならない。とりわけ武具の中でも不思議な力を持つ、装飾品の主な材料となるのが鉱石だった。
2019~ 一日一文企画 文章TOAR,テュオアル
茶化す
「やあ、ドクター」
ウユウは神出鬼没だ。と言っても、このロドスで特殊オペレーターとして働いている人たちはだいたいそうで、彼が特別というわけではない。
2019~ アークナイツ 一日一文企画 文章アークナイツ,博烏
撫でる
「良い子だな、ロウは」
冗談めかした口調で、わしわしと髪を撫でくりまわされる。見上げる表情は朗らかに笑っていて、いつもの険しい顔や少し悲しげな顔よりずっと良い。
2019~ 一日一文企画 文章TOAR,ロウアル
振り回す
「どうしても見せたいものがあって」
そう言って、奴は俺を連れて出かけた。こういう形で奴が俺を外に連れ出すことは珍しくない。
2019~ FF14 一日一文企画 文章FF14,アルバート,光アル,現パロ
悟る
彼が人間だったら、と考えることはもちろんある。自分の兄だったら、なんて思ったときもあった。兄というのはどういう存在なのか、第一王子という身分だったものとしてはあまり想像がわかないが。
2019~ 一日一文企画 文章ディミリオ,リィンカネ
秘める
「……何を、隠してる?」
「どうしたんだい、急に。何も隠してなんかいないよ」
「別に。少し、思っただけだ」
2019~ アークナイツ 一日一文企画 文章アークナイツ,エリソ