リィンカネ

気にする

「この戦争が終わったら、何するかって。考えたことあるか?」 ずきり、と胸が痛んだ。そんな風に考えたことはない。すべて奪われたあの日からずっと、戦場で生きるということしか頭になかった。

悟る

彼が人間だったら、と考えることはもちろんある。自分の兄だったら、なんて思ったときもあった。兄というのはどういう存在なのか、第一王子という身分だったものとしてはあまり想像がわかないが。

妬む

羨むということは、どこまで行けば妬みになるのだろうか。所謂普通の人間の生活を、羨ましく思ったことはもちろんある。妬ましいというほどではない。俺が失ったものは、どうあっても戻りようがないからだ。