縋る
ふと不安になることがある。日々に不満はないし、それどころかこうして時折戦いに出たりはするが平和に暮らせていることは、感染者の自分にとってこの世界では得がたい幸せだと思う。
2019~ アークナイツ 一日一文企画 文章アークナイツ,スチュアド
照れる
「……そんなに見られると、ちょっとやりづらいんですけど……」
「あ……すまない」
使っていた電子時計の調子が悪かったので、機械といえば……と僕は真っ先にアドナキエルに相談しに行った。
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祈る
ラテラーノの民であるという彼は、どれだけ信仰が厚いのだろう、と思うときがある。自室にいるときはひとりで祈りを捧げたりするのだろうか。エクシアさんは外見にあの元気さ、あるいら奔放さを持ちつつも、祖国の宗教には一段と深い信仰を保っているらしい。何度か任務で同じ部隊になったことがあるが、斃した敵に向かって何か呟いていたのはそれに関係することかもしれなかった。
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傷つく
任務から帰ってきたその姿を見たとき、心臓を鷲掴みにされたような。胸に痛みを感じた。いつも閉じているシャツのボタンは傷に負担をかけないよういくつか外され、巻かれた包帯が覗いている。よく見るとこめかみの辺りにも、皮膚を傷つけたのか四角い絆創膏が貼られていた。
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