Gダム

甘える

肩に少しの重さが掛かる。珍しいな、と下りていた瞼を上げると、当の彼は目を閉じていた。短く切られた髪は風呂上がりに乾かしたばかりなのでふわふわしていて、撫でてやりたくなる。

終わりある光を想う

気がつくと窓枠に肘を置いて、空を見ていた。亡くなった人間が星になるなどという話は当然信じていなかったが、彼を探すとどうしても上を見てしまう。まさか地上にいるわけもないのだから。

月は満ち欠ける

いつか、幼かった日に。ずっと一緒にいたいと初めて願ったのは、まだ友情しか感じていなかったころだったか。正直なところ自分はあのときから随分と変わってしまって、三日月のほうは何も変わっていない、とオルガは思う。冷たい無機質な目も、温かく微笑む目も。

たとえ何をなくしても

少し長め /「……こりゃあ、もう駄目かもな」 リディさんが呟いたが、おれはまだ諦めていない。目の前に広がる赤と紫の金属片の間に、目を引く黄色をした脱出用ポッドがある。飛び出すようにコクピットから出て、その中へはしかしゆっくりと入る。

他でもないあなたに

※現パロ 『会いたい、と言ったら、あんたは会いに来てくれるのか?』 電話の向こうで、くすりと笑うのが聞こえた。一応彼のほうが年下ではあるはずなのに、なぜかいつもこうだ。主導権を握られている、と思う。それは彼が持つある種のカリスマのせいなのだろうか。

同じ道を歩んだ僕らだから

「いいじゃないか、別に」 あまりに簡単に言うものだから、もう少しで怒りに任せ手を上げてしまうところだった。オレがどれだけ悩んでいるかわかって言っているのだろうか、こいつは。女性陣に訊くのも気が引けるし、もちろんロウや劾などにそういった話が通じると思えるわけもなく、必然的にこのイライジャ・キールしか残っていなかったのだ。