光アル

諦める

「いつかさ、お前と一緒にあっちへ戻れたら」 言いかけて口を噤んだ。こんなこと言ったって仕方がない。もともと彼の住む世界はここだし、あちらにはあまり良い思い出もないだろう。なにより無責任だ。彼の存在がいつまであるか、世界を渡れるかなんて、保証もないどころか可能性すらありはしないのに。