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変わらない笑顔を添えて

教室において、窓際というのはだいたいの場合、所謂ミステリアス系のヒロインの座っている席だ。それは一番後ろの列であることが特に多いが、彼がついていた席は後ろから二番目の列の窓際であった。

いつかあなたに触れるから

宇宙は広い。たまに窓の外を見るけど、どうしてもそれを実感すると寂しくなる。そこには何もない。自分が生きていける場所はここにしかないのだ。気の遠くなるほど大きな宇宙に比べれば、目を凝らさないと見えないくらい小さな、ここにしか。その中で俺は、悩みを抱えて生きている。ちっぽけな劣等感。

やがて世界を満たすでしょう

あらためて視線を合わせると、すごく気恥ずかしい。そもそもずっと前から思っていたことだが、こいつの瞳は綺麗すぎると思う。吸いこまれそうな緑色。性格から考えればなんの不思議もないことではあるが。 「それで、どうするんだよ、この状況」

どうせなら命をかけて

耳元で、かちり、と金属の冷たい音がした。引き金をひいても弾は出ない。もともと入っていなければそれはそうだろう。 「……あー……」 わかっていた。わかってはいたが、どうしてかやってしまったのだ。

伏せた瞼に口づけを

暗くなった夜の中、月の光のせいか気持ちよく寝こけている顔がなんとなくとても憎らしく思えて、その頬に唇を重ねる。んん、と小さく呻きながら寝返りを打とうとするので、今度は彼自身の唇に重ねてやった。目を覚ましてしまえ。早く。

どうしたって永遠なのだから

「だったら、やっぱり今が正しいんじゃないかな」 明るい空を見上げてジョナサンはそう言いながら、大きな花が咲くように笑った。そうだろ? と問いかけてくる目に、ディオは眉間に皺を寄せる。どうしても彼には、今のこの生活が正しいものかどうかわからないのだ。

同じ道を歩んだ僕らだから

「いいじゃないか、別に」 あまりに簡単に言うものだから、もう少しで怒りに任せ手を上げてしまうところだった。オレがどれだけ悩んでいるかわかって言っているのだろうか、こいつは。女性陣に訊くのも気が引けるし、もちろんロウや劾などにそういった話が通じると思えるわけもなく、必然的にこのイライジャ・キールしか残っていなかったのだ。