~2012

終わりのない自己分析とか

子供の頃に一度だけ、もしかしたら自分は人間ではなく悪魔なのかもしれないと思い、親の部屋から密かに持ち出して聖水を頭から被ったことがある。ただやはりそれは自分に対してはただの水であり(悪魔なんてものが現世にいるかは定かでないからそれが聖水なのか正確ではないが)、被れば体が濡れるだけであった。

ただただ熱い

「えへへ」 普段の斗牙は、ものすごく可愛い。天然可愛い。その天然が珠に傷ではあるが、俺と同じくらいの歳だろうに、年下のように感じてしまう。 「……楽しいか? それ」

いっしょにいたい

「花村って好きそうだよな」 「へ?」 主語が抜けていたために初めは、彼の手作りらしい弁当の中身を欲しがる目で見ていたのがバレたのか、と思った。

知りたい、と思うことから

マンションのベランダから、夜にしては明るすぎる街をすがめる。次に、相も変わらず無表情のまま、すぐ隣で同じ景色を見ている少女に目を向けた。しかし目を逸らす。視線に気づかれるのが怖くて、長く見ていられない。この距離で気づかない彼女も彼女だけど。

所謂ツンデレ

本当に女ってやつは面倒だ。特に今俺の胸に埋まってるこいつ。鼻を啜る音と微かな嗚咽。これ以上なく面倒くさい状況だった。子供をあやすみたいに、ぽんぽんと明るい緑色の頭を弱く叩く。