きみが何をどう思おうときみの自由だけど
※学パロ
それは幸せというものだよ。半分は冗談で云ったが、何も知らない彼はただ無表情で首を傾げた。今日も不発。
「……俺にはわかりません」
「そうか。構わないさ、それでも」
~2012 文章TOV,アレシュ,~2012
埋め合わせ
まだ暦の上では夏なのに、妙に寒い日だ。テントの中でも隙間風がやたらと突き刺さってくるので、昼寝をしていたのに妙に起きてしまって、横で武器の手入れをしているおっさんの上着の裾を引っ張る。
~2012 文章TOV,ユリレイ,~2012
好きだよと触れる
「な――ちょッ、痛」
「よかった。本当に」
肩の骨がみしみしと悲鳴をあげそうなほど強く、ただ強く抱きしめられる。フレンのこんな姿を見るのは当然ではあるが初めてで、驚いた。
~2012 文章TOV,フレレイ,~2012
知らなくてもいいこと
※学パロ
「あんたはどう思う?」
何かを知っている目で、青年は長い髪を揺らしながら尋ねる。いいや、案外何も知らなくてただの戯れかもしれない。む、とレイヴンは口をへの字に曲げて眉をひそめた。
~2012 文章TOV,ユリレイ,~2012
やがて何にも成れないもの
目尻の雫を人差し指で掬う、そうだ、これだ。感情的と生理的の違いなどもはやどうでもよかった。彼の涙。そう思うだけで自分の中に何かが、込みあげる。如何に彼の表情が微動だにしないままであっても。
~2012 文章TOV,アレシュ,~2012