FF零式

できるなら口にするのはやめてほしい

完全に油断していたために右腕を絡めとられていて動かせない。まさにされるがまま、という状況だった。誰だってそうだろうが、こうなるのは決して好きではない。 「……どうしてそんなに固いんですか」 「当たり前だろ」 「わかりません」

やさしさを押しつけ合う

乱雑でも優しげな撫で方は、彼の根本の性格を良く表していた。 「大丈夫、平気さ、ナイン」 名前を呼びながらも、低く呟いたそれは自分に対してだけの励ましではなかった、とナインは思う。だからこそ悔しかった。