DRRR

The important thing which I have dropped.

新羅のところに戻ったら、「あ、良かった、どこも怪我してないね。頭蓋骨粉砕くらいされるかなあって冷や冷やしてたんだけど」とかにこにこしながら物騒なことを云われて(そんなことされたら普通に死ぬじゃないか)、何か思い出した?と笑顔はそのままで聞かれた。――記憶喪失ネタ②

未だ酔いは覚めない

愛してる、とか云う言葉は俺のなかで軽くトラウマになっているのかもしれない。耳もとで囁かれるそれに、ぞわりと毛を逆立たせる。妖刀とやらの罪歌を思いだすからだ。

君にいちばん近い距離

犬だ。見たところ、まだ仔犬っぽい。首輪はついているから飼い犬だろう。まあ、今のご時世しかも都会で、野良犬などそうは見かけない。恐らくは飼い主とはぐれて彷徨っていたのだろう。

でも、そんな君がすごく愛しい愛してる

シズちゃんを見ていると、不意にとても強い支配欲が湧きあがってくるときがある。俺の狭い世界のなかでもっとも思い通りにならない人間(と云うよりは、化け物)である彼に対してそれを感じるのはいつものことだけど、もっと強いものだ。

手加減を知らないから

ここまでくると立派に酔狂だとは思えども、玄関先に彼を見たとき、ちょっとだけ嬉しくなる。てっきりダンマリを決めこむかドアを蹴破るかエトセトラ何かしてくると予想していつでも逃げる準備はしておいたのだけど、外れて安心なのかどうか複雑な気分だ。

サプライズエンカウント

恋というのは果ても底もない、ただ突きすすみ堕ちていくだけの感情である。ある種、夢に似ている。果ても底もないと言っても、醒めたときは別だ。そんな所も含め、似ている。