AB!

アイラヴ、ユー

まあ、今さら伝えることなんてないよな。もう充分伝わってるだろうし。そうだろ? …そんな顔すんなよ、なに、言葉で聞きたいのかお前は。

そんな、自己嫌悪

「好きだ、音無」 確かめるようにそう云って、ふわり、日向は笑った。目を細めさせて。少し頬を染めて。普通は異性にする告白の言葉。 その笑顔が温かくて、ひどく恥ずかしくて、俺は目を逸らす。

どうしていつからこんなに

死んだ世界にも、律儀に1日は巡ってくる。朝の光に目を醒ましたらすぐ横に音無の顔があって、一瞬驚いた。そいつはさも気持ちよさそうに眠っていて、俺が身体を起こしても起きそうにはない。

すれちがいトライアングル

僕は音無さんが好きだ、それが友愛ではなく恋慕だと云うことは理解しているし否定する気も毛頭ない。 いつ惚れたかと云えば、まあ、話せば長くなるのだが――それよりも問題は、あの日向とか云う見た目からもうアホっぽいアホの存在だ。

このまま、ずっとこのまま

日向の死因は、薬をやったこと、らしい。 「で、どんな気分だったんだ? そんとき」 「最高だったよ、そりゃな。あのときの俺にはそれしかなかった。禁断症状とか出ると最悪だけどさ」 「……はあ。やっぱり、そういうもんなのか」

倒錯ロマンス

「……俺のこと、嫌いか?」 音無はそんなギャルゲーとかで女の子が云っていそうな科白を吐いて、これまたギャルゲーとかで女の子がしてきそうな上目遣いをして俺をけしかけてくる、及び、見つめてくる。