~2018

たとえ何をなくしても

少し長め /「……こりゃあ、もう駄目かもな」 リディさんが呟いたが、おれはまだ諦めていない。目の前に広がる赤と紫の金属片の間に、目を引く黄色をした脱出用ポッドがある。飛び出すようにコクピットから出て、その中へはしかしゆっくりと入る。

他でもないあなたに

※現パロ 『会いたい、と言ったら、あんたは会いに来てくれるのか?』 電話の向こうで、くすりと笑うのが聞こえた。一応彼のほうが年下ではあるはずなのに、なぜかいつもこうだ。主導権を握られている、と思う。それは彼が持つある種のカリスマのせいなのだろうか。