正帝

それはいくつもの矛盾が重なった、ひとつの矛盾。

ああそうさ俺は臆病者だ。杏里からも臨也さんからも門田さんたちからもサイモンからさえも帝人から、逃げだした卑怯なやつだ。開き直ってるんじゃない、認めてずっと償いもせず背負ってる。屁理屈でもそう云うならそれでいい、言及されることからも俺は逃げていたいからだ。