悠+拓

そこに至る、までの

力を入れないのは、入れる勇気がないから。入れたって大したことにはならない、傷も残らないだろうけれど、彼の苦しむ姿を見たくなかった。これ以上苦しんで欲しくなかった。触れた喉が、唾と息を呑み込んで動く。矛盾していることなんて、わかっている。