士言

憂う

「神はすべての人に救いを与えるが、救いとはなんだろうか。それがわかるか?」 「どうしたんだよ? 急に」 「戯れに、貴様の考えを聞きたかっただけだ」 言峰は口元に薄く笑みを貼り付け、いつもの笑っているのかいないのかわからない視線を俺に投げた。