誤魔化せるとでも
「別に悪いことじゃないだろ、むしろカミやんは笑わなさすぎ」
そう云って、ぐいーっと真横に右頬を引きのばされた。いや、これ笑わせようとしてるってより遊んでるだけじゃないのか。妙に強い力のせいで全然口が動かせないので、言葉にならない。ただの唸り声だ。
~2012 文章上土,禁書,~2012
思考
「……寝てしまった、か」
こんな状況に体勢で寝られるとはなんと無駄に器用な男だろう。逆に不器用と云ってもいいか。もしくはそんなに眠かったのか。
~2012 文章上土,禁書,~2012
絡まる
ぼうっと何も考えず、無心にサングラスの奥を見つめてみる。意味ありげにも無計画そうにも見える笑みは何を考えてるのか本当にわからない。俺の周りはなんとなく直情的なやつが多くて(あとで云ったら人のことは云えないと諭された、少し心外だが確かに)珍しい人物かもしれない。
~2012 文章上土,禁書,~2012