リディバナ

触れあうことには意味がある

手のひらで包みこむように頬に触れると、そこから気持ちが伝わってくるような気がする。それは自分がニュータイプと呼ばれる分類の人間だからなのか。でも気がするだけなので、どうだろう、と思う。それでも彼はたぶん、寂しがりだ。

愛のかたちは

ちゃんと両腕で抱きしめてみると、彼の身体の小ささがわかる。お前って意外と小さいんだな、とついそのまま零してしまったときは当然拗ねられたが、まだ若くはある俺からしても彼くらいの子はそれでいいと思う。何より可愛いし。

広がる青と

全身に風を感じながらバナージは、速さに負けそうになる腕でしっかりリディの胴を抱く。何度か彼のバイクの後ろには乗せてもらったことがあるが、こうもスピードを出して走ったことは一度もなく、新鮮ではあっても少し複雑に思うところがあった。今日はどこに行くんです、と聞けば、海だという。