フォンカー

気づかないふり

微睡む耳に、か細い歌声が聴こえる。たぶん無意識なのだろうそれは、あまり上手なものではなく、メロディ自体はゆったりと優しい。声が小さいので、歌詞まではよくわからなかった。誰の声だろう、と寝ぼけた頭で思いながら、まだ目は開けずに記憶を探る。