パージク

迫っては離れ

舌を絡めると生温くて、それがやけに現実感を増していた。それでも、こうしてしていることに実感は得られない。夢のなかにいるみたいな感覚が抜けないまま、頭を惚けさせ、理性の箍が外れていくのだけがはっきりとわかる。

ゆるやかな依存

※世界観が謎な吸血鬼パロ /かり、と手指の爪に歯を立てるのが、妙に艶かしく映る。それは俺が遺憾ながらこの男に惚れてしまっているからで、それゆえに、これから捕食されるということに本能的な期待を抱いていたからなのだろう。その尖った歯は指の腹に侵入して、傷口から柔らかい唇へ血が零れる。痛みは感じなかった。

口下手なあなた

あの日、誰もが虚ろな瞳をしていた。誰もがどんな言葉を発して良いものか図りかね、何を信じれば正しいと自分で思えるのか、答えを宙空に捜していた。そんなものはないに決まっているのに。 「……パーシヴァル」