ギルクラ

汚れないでほしい

「もったいないよ」 「…何が?」 「この髪。戦場って、埃とか破片とか、たくさん散るだろ」 涯の金糸のような髪の一房に指を通し、少し見惚れる目をして集は云った。

知りたい、と思うことから

マンションのベランダから、夜にしては明るすぎる街をすがめる。次に、相も変わらず無表情のまま、すぐ隣で同じ景色を見ている少女に目を向けた。しかし目を逸らす。視線に気づかれるのが怖くて、長く見ていられない。この距離で気づかない彼女も彼女だけど。

一抹の不安

※女装 「……何してんのさ」 「どう思う、集」 「そんなこと云われても…そもそも、どうして僕に聞くんだよ」 「お前が男どもで一番若いからだ」