アレシュ

やがて何にも成れないもの

目尻の雫を人差し指で掬う、そうだ、これだ。感情的と生理的の違いなどもはやどうでもよかった。彼の涙。そう思うだけで自分の中に何かが、込みあげる。如何に彼の表情が微動だにしないままであっても。