さや杏

かみさまは救ってくれないから

「さやか、あたしがあんたのこと、好きって云ったらどうする。あんたが上條恭介に抱いている想いと同じ種類のものを、あたしがあんたに抱いているとしたら、ねえ」 暗闇に向かって呟いた。どうせ届かないと知っていれば、もう二度と届かないと知っていれば、その行動に意味はないのだから。

伝えたいたくさんのこと

※パラレルというかifというか 彼女は屋上のフェンスに座っている。落ちないのだろうかと思うけど、菓子ばかり食べている割には身軽なのだ。風も強いのに、揺らすのは長い髪だけで、器用にバランスをとっている。 「……あんた、いつもここにいるよね」