うたプリ

そのときにはどうか安らかなキスを

気づいたら視界は薄い青に染まっていた。息ができない。止める。服が貼りついて肌に伝えてくる、冷酷。長時間水の中に沈んでいれば当然、人間は呼吸をなくして死んでしまう。そんな冷たさ。 目を閉じてふと、これは夢なんだと思った。水に沈んでいるはずなのに、息を止めているはずなのに、苦しくない。全然。もしかしたら感覚がなくなっていたりするのかもしれないけれど、とりあえずヘンな感覚だ。

神にでも祈ろうか

那月は身長に目を瞑れば女の子みたいに可愛いと思う。奴はやたらと俺に対して可愛い可愛いと男にとっては不名誉極まりない形容詞を連発するけれど、名前も口調もふわふわの髪の毛もきらきら光る綺麗な目も、絶対に那月の方が可愛い。と、俺はずっと思っていた…